白色の自己主張

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他力本願寺 ねんごろ

受け身でいるのに なぜかすべてがうまくいく 他力本願寺 ねんごろ
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Photo:Going nowhere.. By:© Axel Naud
Photo:Going nowhere.. By © Axel Naud



ライフワーク「他力本願寺 ねんごろ」が産まれるまでの物語。



          *



尾田栄一郎(おだ えいいちろう)さんのマンガ「ONE PIECE」
第90話「何ができる」に、こんな場面があった。



          *



伝説の海賊王ゴールド・ロジャーが遺した
「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」

その秘宝を巡り海賊たちが闘いを繰り広げるなか

ひとり海賊王を目指して航海に出た
モンキー・D・ルフィ。



人を味方にする類まれなるチカラを持って
海賊団「麦わらの一味」を結成し

ひとつなぎの大秘宝を目指して世界中の海賊が集まる
「偉大なる航路(グランドライン)」へと向かうさなか

いっとき手を組んでいた航海士「ナミ」が、行方不明に。



心配し後を追うと
魚人アーロンが支配する町アーロンパークへとたどり着く。



ナミは

アーロンが支配する生まれ故郷
「ココヤシ村」を買い取って救おうと

義母ベルメールが殺されながらもアーロンの仲間となり
海賊専門の泥棒としてお金を貯めていたのだが

そのアーロンに裏切られたうえに
貯めたお金までも奪われる。



それまで、ひとり想いを胸に秘め
孤独な闘いをしてきたナミ。



もうこれ以上は無理だと思ったとき
後を追ってナミの前に現れた信頼できるルフィに
「助けて」と、こころから叫ぶ。



ナミの気持ちを受けて
魚人アーロンに立ち向かうルフィだが

産まれた瞬間から種族という次元が違うのだと豪語するアーロンは
持って産まれた強靭な歯によって襲いかかり

ルフィを圧倒する。



だが、ルフィは

自身の無力さをこう悟ったうえで
それでも逃げることなくアーロンに立ち向かい

ついには、アーロンを倒すのだった。



          *




アーロン:

バカで非力で愚かな種族が人間だ!!!
海に沈んでも一人じゃ上がってこれねェ様なてめェに何ができる!!!


ルフィ:

何もできねェから助けてもらうんだ!!!

          *

おれは剣術を使えねェんだコノヤロー!!!
航海術も持ってねェし!!!

料理も作れねェし!!
ウソもつけねェ!!

おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!


アーロン:

シャハハハハハ・・・
てめェのフガイなさを全面肯定とは歯切れのいい男だ!!!

てめェみてェな無能な男を船長に持つ仲間達はさぞ迷惑してるんだろう
なぜてめェの仲間は必死にてめェを助けたんだかなァ・・・

そんなプライドもクソもねェてめェが一船の船長の器か!!?
てめェに一体何ができる!!!


ルフィ:(ニヤッと笑いながら)お前に勝てる




          *



マンガを読みながら
ぼくもこう言えたらなと思っていた。

「こう言えたらなぁ」と
何度手にとって読んだだろう。



          *



幼いころのぼくは両親から

「甘えるな」の自己責任
「頼るな」の自助努力
「正社員で家族を養って一人前」の男らしさ・自立

この3点セットを厳しく躾けられ

それがどう頑張ってもカタチにならない苦しさから
じぶんを責めたり、恥じた。



社会や他人からも
同様に求められた時代を生きてきて

窒息しそうな息苦しさから
命を絶つほどに追い込まれていった。



それでも徹底的に叩きこまれた3点セットの呪縛は

強力で
根が深くて

「助けて」のひとことがぼくにとってはとてつもなく重くて
言うことができなかった。



たったひとことなのに。



          *



あの日を迎えるまでは。



          *



30代の頃

外資系ファストファッションブランドの新規オープンに伴う
ノンレギュラースタッフに現地採用され

お店創りの段階からはたらいていた。



「ノンレギュラー」とは

アルバイトさんと
正社員であり管理職でもある「レギュラー」の間に立ち

お店が滞りなくまわっていくように
アルバイトさんをまとめていかなければならない。



ぼくはこれまで

仕事でも
プライベートでもコケまくっていて

特に仕事は
懸命に頑張っているのに長続きせず

早いところでは
一日でクビになっていたりした。



お世話になる先々で
スピード解雇の記録を塗り替えていた。



やる気がないわけじゃない。
だって、生活がかかっているから。



でも

人間関係を築くのが苦手だったり
仕事を覚えるのにもたもたしてしまって

「もう帰っていいぞ」
「職場体験に来たんか おまえ」

「穀潰し」
「給料泥棒」

などと言われ
あっさりと用済みにされてしまっていた。



よく「職を転々とした」という話を聴くけれど

ぼくの場合は
「転々」どころではなく

「転々転々転々転々・・・どこまで続くんだオイ!」みたいな感じ。



だから

年齢相応のキャリアといったものがなく
実際に仕事をはじめてみると

落ち着いた見た目
仕事ができそうな印象

そんな面接時のイメージとの落差があまりにもおおきくて
失望されることが多々あった。



この外資系ファストファッションブランドも例外ではなく

オープンしてからは
ぼくのせいで仕事がたびたび滞り

マネージャー(レギュラー社員)に
バックヤードで叱責される日々だった。



それでも

ノンレギュラーという立場から
ファストファッションブランドというスピード感から

ありえないほどの仕事量を振られ

ぼくはストレスや緊張感から
バックヤードでたびたび過呼吸になっていた。



同期のノンレギュラーはどうだろうと思って観ていたが
ぼくに割り振られている仕事量(4~5人分)はあきらかに尋常ではなく

彼らの仕事量(一人あたり2~3人分)であっても

営業時間中芋洗い状態の店内で
矢のように入るお客様対応をしながら

アルバイトさんたちに指示を出し
指示を出した仕事の品質をチェックし

そのうえじぶんの仕事をもこなすのは
もはや神業としか言えない域だと思った。



実際

彼らもこなせてはおらず
スケジュールは、どんどん押していった。

だから、ぼく同様叱責されていたのだけれど

ぼくへのそれは仕事量といい
期待値の落差からくる嫌がらせのように映った。



          *



そんなある日マネージャーから

「売れ筋のパーカー全サイズの補充を1時間でやるように」

と指示され、バックヤードと店内を往復してとりかかっていた。



でも

幼いころ両親に徹底的に叩きこまれた3点セットの呪縛で
「助けて」のひとことがとてつもなく重くて

応援を求めることが苦手だったぼくは

アルバイトさんたちに指示を出すことがどうしてもできず
ひとり抱え込んでしまっていた。



アルバイトさんたちはアルバイトさんたちで
すでに手一杯の状態だったのは観ていてわかっていたから
なおさらに言うに言えなかったのだ。



すると、指示を出したマネージャーがバックヤードにやってきて
腕時計の文字盤を指でトントンと叩きながら言った。



          *



1時間でやれって言ったのに、どうしてできないの。
アルバイトに指示出してやれよ。

それがノンレギュラーの役割だろうが。
まったく使えないやつだなぁ、おまえは。



          *



開店前や閉店後の
お客様がいない状態であればできる。

でも

営業時間中の芋を洗うような状況で
1時間でなんてできるわけがない。

それは、仮にアルバイトさんにお願いしても。



理不尽なほどの仕事量と小馬鹿にした物言いに
今までの鬱積が爆発した。



          *



んなもんできすか!
(=こんなもん できるわけないだろ!)



          *



小学生のころ、いじめに遭って追い込まれていたとき
一度だけ牙を剥いたことがあった。



あのとき以来
何十年ぶりかにキレた。



幸いバックヤードだったことと
店内は大音量で音楽がかかっていたことから
お客様には聴こえずに済んだ。



性格悪いことを言うけれど
マネージャーにこう詰め寄った。



          *



だったら、あなたが今から1時間でやってみてくださいよ。

お手本示してくださいよ。
社歴の長いベテラン社員なんですし。

できるんですよね、指示するってことは。
できるんですよね、マネージャーなんですから。



          *



時計を観ながら、1時間つきっきりで仕事を観た。

でも、マネージャーは
ぼくらノンレギュラーの仕事に加え

マネージャー権限でしかできない仕事(返金処理など)もある。



時間だけがどんどん過ぎていき
結局ほとんど手付かずに終わった。



性格悪いことを言うけれど
バックヤードでこう詰め寄った。



          *



(腕時計の文字盤を指でトントンと叩きながら)
1時間でやるって言ったのに、どうしてできないんですか。

アルバイトさんに指示出してやればいいじゃないですか。

それがレギュラー社員の役割でしょう?
ぼくらノンレギュラーのお手本なんじゃないですか?

マネージャーなのに、なんでマネジメントできないんですか。



          *



ムッとしてなにか言っていたけれど
もうなんかどうでもよくなっていた。



ありえないほどの仕事量に

ぼくだけでなく
同期のノンレギュラーもみんな心身ともに疲弊していたし

マネージャーたちもろくに休めず
心身ともに疲弊していたから。



もうこれ以上責められたくないし
もうこれ以上誰かを責めたりしたくないと思ったから。



          *



その後、誤解によるお客様からの店内での罵倒や

罵倒に対し頭を下げたとき
後頭部につばを吐きかけられたときの対応をめぐって
どうにも納得のいかないこともあったので

もう限界かなと休職願を出した。



こころのバランスを崩していて
うつの診断書を添えて。



でも、休職期間中に退職するよう何度も促され
潮時だと思って退職した。



          *



後味の悪いものになってしまって
じぶんの至らなさを反省する出来事だったけれど

でも

あの日の叫びが
ぼくにとって

人生のターニングポイントになった。



実は

「甘えるな」の自己責任
「頼るな」の自助努力
「正社員で家族を養って一人前」の男らしさ・自立

この3点セットを厳しく躾けられ

呪縛の強力さと根深さで
「助けて」のひとことがとてつもなく重くて

今までならどうしても言うことができなかったのに

相手の顔色をうかがい
言いたいことも飲み込んでしまっていたのに

あの日鬱積を爆発させて叫んだことで

ぼくを縛っていた呪縛が
バ~ン!と取っ払われた。



ひとりでなんてとてもできん。
だから、頼むわこれ。

はい。
はい。
お願いねぇ。

ひとりで抱え込むことを卒業して

「助けてもらえる?」
「手伝ってもらえる?」

「これ、頼むね」
「これ、よろしく」

言えるようになっていた。



あれほど苦しめられた両親の躾から解放されて。
あれほど強力で根深かった呪縛から解放されて。



バ~ン!って音が聴こえた。
「あっ!破れた!」ってわかった。



あんなに破りたくても破れなかったこころの殻が破れた。



まさかルフィのように言える日が生きているうちに来るなんて
思ってもみなかった。



うれしくて30代のオトコが
嗚咽するほどだった。



そこからかなぁ。
もう30も後半にさしかかっていたけれど。
人生が、ググッと上向きはじめたのは。



受け身でいるのに
なぜかすべてがうまくいくようになったのは。



頼ることは、悪いことじゃないとわかったから。
甘えることは、悪いことじゃないとわかったから。
依存することは、悪いことじゃないとわかったから。



上手に頼ればいい。
上手に甘えればいい。
上手に依存すればいいと気づいたから。



性格悪いことを言ってしまった
やってしまったマネージャーには
ほんとごめんなさいだけれど

あの日
あの時
あの場所で

こころの底から鬱積を叫んでいなかったら
こころ底からほんとうに言いたいことを言っていなかったら

今もぼくは3点セットの呪縛から逃れられず

「助けて」のひとことが
とてつもなく重いままだっただろう。



今もぼくは、孤立していただろう。
相手の顔色をうかがったままだっただろう。
言いたいことも言えず、抱え込んだままだっただろう。



ひょっとしたら、もうこの世にはいなかったかもしれない。



          *



伝える相手や場所を選ぶ必要はあるけれど
胸に抱えているものがあるのなら、こう伝えたい。



まずは、叫んじゃうことから。



モンキー・D・ルフィのように。
ぼくのように。



遠慮なんてせず。
言葉が汚くてもいいから。
大声で。



スッキリの先には
未来に向けて「なにか」が産まれる予感がきっとあるはず。




おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!




そんなじぶんに OK を出せた先に。
きっとあるはず。



          *



こころの丈を思う存分叫べる相手がいるってしあわせだ。
こころの丈を思う存分叫べる場所があるってしあわせだ。



外資系ファストファッションブランドでキレる前

ぼくにはそんな相手も
そんな場所もなかった。

苦しくてたまらなかった。



だから、同じように悩む人のために
そんな人がいる場所を創りたいと思った。



その想いが、ライフワーク

受け身でいるのに なぜかすべてがうまくいく
他力本願寺 ねんごろ

が産声をあげるきっかけになった。



          *




ねんごろ【懇ろ】とは

①心のこもっているさま。手厚いさま。
②親しいさま。特に,男女がなれ親しむさま。

大辞林 第三版より




同じようにこころの殻を破れずにいた人が

他力本願寺 ねんごろで
こころの丈を思う存分叫ぶことで殻を破り

ほんとうはどうしたいのか
ほんとうはどう生きていきたいのかを

遠慮なく語り合う。



そして、老若男女問わず集う人たちそれぞれが

他の人には難しいことでも
じぶんには息を吸って吐くようにできてしまうことを持ち寄り

巷でよく言われる成功法則などではなく
年長者から説教調で言われる自助努力でもなく

上手に頼り
上手に甘え
上手に依存し

人のチカラによって

まるでエスカレーターやエレベーターに乗るように
ス~イスイ目的地まで運んでもらう。

まるでエスカレーターやエレベーターに乗るように

ス~イスイ願いを叶え
想いをカタチにしていく。



それは、ずるいことでもない。
それは、恥ずかしいことでもない。



受け身でいるのに なぜかすべてがうまくいく
他力本願寺 ねんごろは
そんな場所であれたらと思っています。



かつてのぼくのように
ひとりで頑張って
疲れてしまった人のために。


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