午前四時 心のストーブ


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今から言うことは、独り言です。
なので、聞き流してください。

わたしの人生、毎日同じことの繰り返しでした。実家に住んでて、親に聞き飽きた小言を言われ続けて。同じ時間の電車に乗って、会社へ行って。彼氏とは、くっついたり離れたりを繰り返して、4年?...が経ちました。仕事も彼氏も望んでいたものとは違ったけど、失うのが怖かった。だから、変わらない毎日が続くだけでした。

ある時、『有っても無くてもどっちでもいいものを捨ててみよう』って思ったんです。最初に捨てたのは、粗品で貰った卓上カレンダー。それから捨てることに少しずつ慣れていって、気づいたら部屋の物、ほとんど無くなった。衝撃でした。わたしは、有っても無くてもどっちでもいいものに囲まれて生きてきたのかって。

そんな時、気になって取っておいた花火のチラシを思い出したんです。『わたしのためだけの花火』。非日常じゃないですか。しかも、30万円。たった1〜2分の花火に、ぱあっと30万円。それをしたからって、なにか変わるなんて思ってなかったけど。それでも、やってみたかったんです。

花火。まず、音にびっくりしました。全身を突き抜けるように、ズドーンと響いて。目の前に上がった花火は、手を伸ばしたら届きそうで。

急に思ったんですよね。『仕事も彼氏も実家も、全部捨てちゃえばいい』って。さらに思ったんです。『彼氏なんて、捨てる価値も無いほどの男だな』って。(花火を)鼻で笑ったとしたら、その時ですかね。

この前ムカついてムカついて仕方なくなったのも、『あんなクソ男なら、もっと早く離れればよかった』って思ったからです。

花火は憶えてないけど、花火のお陰なんです。
なんか、身軽になりました。

土曜ナイトドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱』第2話
https://www.tv-asahi.co.jp/6byoukannokiseki/story/0002/