水が合わない女 出戻った男 - 白色の自己主張
~ 何色にも染まるたおやかさ 染まらない凛凛しさ ~

水が合わない女 出戻った男





白色の自己主張 ~ 何色にも染まるたおやかさ 染まらない凛凛しさ ~



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友人 えぐっちゃん:(新聞を取り出して)これ、ヒロさん、読みました?

毎日新聞夕刊連載 特集ワイド:女の味方、ブルゾン
https://mainichi.jp/articles/20170704/dde/012/200/006000c
(お笑い芸人 ブルゾンちえみさんを取り上げた記事)

ヒロ:

あぁ、(名古屋から東京へ向かう)新幹線で読んだ。4日さ、母親の命日で実家戻ってたから読めなくて、こっち来るときに。テレビって今ほとんどドラマばっか観てて、お笑い芸人さんが出てる番組見たことないんだけど、どんなの?

(えぐっちゃんがノートパソコンでネタを見せてくれた)
(ブルゾンちえみWith"B"「キャリア・ウーマン」 https://youtu.be/8puMpOhm_5s

ヒロ:

ふ~ん。正直、おもしろいとまではいかんけどなぁ。なにがおもしろいんだろう・・・ね。お名前はよくお見かけするけど。まぁ、彼女のネタも、魅力も、これだけじゃないんだろうから、これだけでっていうのはどうかと思うけど。知ったかぶりはしたくないし、ぼくには彼女のおもしろさが判んないんだろうな、まだ。

えぐっちゃん:

「男はガムと一緒。味がしなくなったらまた新しいガムを食べればいい。」って、言いますよね、なっかなか。しょうもない男に引っかかったりしてたら、「この世に男なんていくらでもいるじゃん」って励ましには聞こえて、背中押してくれて、前向いてけるんでしょうけど。

ヒロ:

ガムならね、それで。
でも、人だから。
ネタだし、ムキになるわけじゃないんだけど。

ぼくが結婚する前お付き合いした人の中に、「男が途切れたことがない」って豪語してた人が居て。最初は「すげぇモテんだなぁ」って思ったんだけど、なんか、だんだん実は違うんじゃないかって思えてきて。

なんだろう、淋しがり屋っていうか、満たされない心の隙間を男で埋めてるだけなんじゃないかって思えてきて。男が途切れない=モテる、じゃないんだよね。そう思いたいだけっていうか、思い込んでるっていうか、やけに物判りがいいのと素直なのが違うみたいに。「男はガムと一緒」っていうのも似てて、強がってるだけじゃないかなって思う。ホントはそんな強いわけじゃないのに、そう言い聞かせることで強くあろうとしてるっていうか、すごく無理してる感が半端じゃない。そうせざるを得ないとか、そうでもしないと生きていけないときもあるけどね。

そうやって男を見てるとさ、同じように相手からも見られて寄ってくるんだよね、都合の良い相手を求める人がわんさかと。で、互いに飽きたらポイ、消耗するだけになって、結局何も残らない、そこから未来に向けてなにも産まれない。いや、焼け野原みたいに、虚しくなる気持ちだけは残るか。「あたし、オレ、なにやってんだろう」って。ガムならそれでいいけどね、いくらでも代わりはあるから。

見てて可愛そうっていうか、哀れに思えてきた。上から言ってるんじゃなくて、ずっと一緒に居たいって思える相手だったり、汲めども汲めども尽きない泉のような魅力を見つけられる相手と巡り逢えてないんだなって。それが出来ないこと、出逢えないことそのものっていうよりも、魅力を見つけられないことがなんだか不幸なことだと思う。できて当たり前って言いたいんじゃないんだよ。しあわせって、角度が違えば不幸でも幸せに見えることはあるけどね。本人がそれでいいならいいんだけど。

ぼくはそんな相手になりたくなかったら、(人生の)残り時間をそんなことに使われたくなかったから別れた。からめとられるなんて命の浪費だなって。ズルいかなとも思ったけど、誰だって、自分が大事だから。

「男はガムと一緒。味がしなくなったらまた新しいガムを食べればいい。」なんて取っ替え引っ替えしてたら、相手が持ってる魅力のほんの一部分しか知らないうちに別れちゃうわけでしょ?不倫とか浮気とか、ドラマとか映画真に受けて、直情的に走っちゃって修羅場になる人見てきたけど、あれも根っこは同じかなって思う。相手のなにをこの人は見てるんだろう、見てきたんだろうって。一度は好いた人なのにね。

「劣化」って言葉を人に対して使うのは嫌な感じがするみたいに(本来は「物」に対して使う言葉)、「飽きた」って言うのもなんか嫌。その人に魅力がない、なくなったんじゃなくて、ただ単に見る目がないだけなんじゃないの?って思うんだけど。相手のせいにしてるけどね。

えぐっちゃん:プロポーズの言葉みたいですね、ヒロさんの。

ヒロ:

プロポーズ?
ん?
・・あっ、違う違う。

それはね、3回目のデートのとき、彼女に言ったの。「もっとあきほさん(パートナーの名前)のことが知りたいです。また逢ってくれませんか?」って。逢う度に好きになって、逢う度に彼女のあらたな魅力を見つけていってて、その度に彼女に伝えてた。もっと見つけたいなって思った。見つかると思った。だからそう伝えて、今に至るって感じ。今思えば結構ぐいっと行った(=言った)ね、草食系なのに。

えぐっちゃん:本田翼みたいな感じって言ってましたよね、あきほさんのイメージ。

ヒロ:

イメージはね。初対面の時と、ほぼほぼ初対面で一回目のデートの待ち合わせの時までは、だけど。「本田翼(ほんだ つばさ)さんみたい」って言ってもお逢いしたことはなくて、テレビで見てるイメージだから。だからもしお逢いする機会に恵まれて、一緒にどっか出掛けたりごはん行ったりしたら、きっと翼さんのテレビで見たイメージじゃない魅力をいっぱい見つけられるだろうなって思う。

前にさ、ブログにも書いたんだけど、ちょっと(ノートパソコン)貸して。

東洋英和女学院大学名誉教授を務めてる黒岩徹(くろいわ とおる)さんがさ、亡くなった作家さんで「塚本哲也(つかもと てつや)」さんの評伝にこんなこと書いてたの。


不思議なのは、東洋英和女学院大学長に就任したとき、ルリ子夫人から「女性との付き合いもなく、不器用だから」といわれたほどなのに、女性心理を巧みに描いたことである。有名女性ピアニストだったルリ子さんを射止め、生涯彼女だけを深く愛した塚本氏は、一人の女性を深く知ることで、すべての女性を知ることができた類いまれな作家だった。哲学者カントが、生まれ故郷ケーニヒスベルクから外に出なかったにもかかわらず「世界を旅した」といわれたが、塚本氏もルリ子さんだけを深く知ることで歴史上の女性の心奥深くまで入り込んだ。感性と洞察力のたまものであった。

「温かい観察眼」より
http://mainichi.jp/articles/20161026/k00/00m/040/102000c


人ってさ、平面じゃなくて、多面的で、奥行きがあって、深みのある存在だと思うのね。ぼくの両親には「甘えるな」の自己責任、「頼るな」の自助努力、「正社員で家族を養って一人前」の男らしさ・自立、なんて理想の息子像があって、いっつもそう、理想の息子かどうかだけでしかぼくのことを見てくれなかった。ぼくがどんな人間なのかなんてどうでもいい。個性も魅力も興味なし。平面だったの、のっぺらぼうだったの、薄っぺらい表面的な存在だったの、ずっと。哀しかった。親に限らずだけど、こうやって話してるのも、ブログに書いてることだってぼくのほんの一部にしか過ぎないのに、それだけで「ヒロさんって、○○な人なんですね」とか言われるのは。「ヒロさんって、○○な面もあるんですね」って言われたい。子どもの頃夢中で読んでたドラえもんとかキャプテン翼は、薄い紙の中にいるキャラクターでさえ個性だったり魅力だったりがあるのに、ぼくはなんなんだろうって。

だから、じぶんはこんなふうにしか人を見られないような人間にはなりたくないって思ってた。もっとじぶんも、目の前の人も、多面的に見たいって思った。それが人間ってものだと思ったし、それが、18ものライフワークをどんどん産み出して広げていったこと(チーズケーキに関するライフワークは未紹介 http://ippunkan.blog.fc2.com/blog-category-6.html)でもあるし、あらたなじぶんを発見したくて、出逢いたくてね。「多才ですね」なんて言われるけど、そうじゃない。才能なんて言葉ほど曖昧で、あてにならないものはないし。未だに「じぶんアドベンチャー」って感じで探検してるんだろうね、ご縁あって出逢えた人にも、大切な人たちにもだけど。

えぐっちゃん:インディ・ジョーンズの「あれ(https://youtu.be/_U519RdznMA)」みたいですね。

ヒロ&えぐっちゃん:

テテテッテ~テテテ~♪
テテテッテ~テテテテテ~♪

ヒロ:

そう!
ははは、そうそう、いっつも頭ん中流れてる。

・・きっとね、死ぬまで判んないと思うんだよね、自分自身も、相手の魅力もまるごとなんて。それぐらい人間って奥が深い、底が知れないいきものだと思うから。だから、死ぬまでアドベンチャーってわけ、魅力発掘の。だから、いつまでも好きって気持ちが、愛するって気持ちが冷めないの、あきほさんにも、じぶんにも。

ラブラブな秘訣ってよく聴かれるけど、これなんだよね。


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えぐっちゃん:

前にヒロさんが、「東京来るとき、(ドラマ)東京センチメンタル(http://www.tv-tokyo.co.jp/tokyo_sentimental/)で久留里(くるり・和菓子屋店主)がマドンナとデートした町、歩くの楽しみなんだよな」って話してくれたことあったじゃないですか。

ヒロ:

うん。全部行ったね。連ドラ前のスペシャルのときの谷中と深川(=門前仲町)、連ドラの柴又、押上、人形町、小石川、新井薬師、吉祥寺、佃島、観音裏、神保町、神楽坂、両国、不忍、で、まさかのスペシャル第2弾の千住。順番合ってるかな?これで。

えぐっちゃん:よく憶えてますね。

ヒロ:

そりゃだって、全部自分の足で歩いてきたからね。ああやって食べ歩きしたりしながらデートコースなぞって歩いてみるとさ、ドラマじゃ判んなかったそれぞれの街の魅力に気が付くんだよね。やっぱ、人もおんなじだなと思ったの。年齢だったり、「いつ」だったり、お天気だったりが違ったら、また違った表情見えるんだろうな、きっと。

あきほさんとほぼほぼ初対面で一回目のデートしたときにね、なんか妙に馬が合って、14時間近くも一緒に居て、楽しくて仕方がなくって、帰り終電なくなっちゃったからタクシーで送ったの。そしたら、最寄り駅が一緒で、しかも住んでるところが50メートルも離れてないご近所さん。

ぼくがあきほさんと出逢った頃は仕事から離れてたけどそれまでは働いてて、通勤方法も生活圏も一緒だった。晴れてれば自転車、雨なら地下鉄。だから、どっかで会ってたはずなんだけど、憶えてないんだよなぁ。今はあんなに惚れてるのにね。

えぐっちゃん:見てるようで、見てないものなんですね。

ヒロ:

うん。視界に入ったもの全部処理してたら脳がパンクしちゃうから、あえてぼんやり見てるんだってね、人間の脳って。それで、これはと思ったものにはフォーカスするっていう。

えぐっちゃん:

前に僕話したかもですけど、上京してきて、一回東京から逃げ出して、出戻ってきて。最初来たとき一週間で(住み込みでの新聞)販売店の仕事キツくて逃げ出して、でもやっぱりここで一旗揚げたいって思って戻って、別の仕事探して。

逃げ出した日の夜見たオレンジ色の街燈の灯り、まだ憶えてるんですけどね。東京で生きてくって厳しいなって、よく夢に見ます。うなされて、飛び起きることがあります。

ちょっと前まで逃げ癖みたいなのがままあって、逃げ出そう、逃げたくない、ここで踏ん張んなくてどうすんだって苦しいばっかだったんですけど、そんなときにふっとヒロさんが話してくれたの思い出して。

石原さとみが出てる Find my Tokyo.って CM 、知ってますか?東京メトロの。

ヒロ:

うん、知ってる。最初は何処で見たっけなぁ。あれ、いいよね。石原さとみさん、好きだし。「池の真ん中でお茶をいただこう!https://youtu.be/0b2sIsY8P_w」行こうと思ってるんだよ、今回。

えぐっちゃん:

あれ、ヒロさんが話してくれた東京センチメンタル巡りと僕ん中で重なって、おんなじようにやってみたくなったんです、僕も。

それまで仕事って(飲食店勤務なので)長時間でしたし、休みも土日じゃなくて平日だからなぁとか、あっても2日が一日になったりとかばっかだったし、あったらあったで疲れてて寝てばっかで終わっちゃうのがなんか無駄にしてんなぁとかあったんです。なんかないかなって、仕事キツイし、楽しみみたいなものが。

それでヒロさんのマネしてみようと思って、石原さとみが出掛けた駅の町でやってるチャレンジ(http://findmy.tokyo/tag/0200)やってみようって思って、そのとき流れてたやつから始めて、遡ってやってみたくなってやってるうちに(2016年のチャレンジ http://findmy.tokyo/tag/0561)、今の彼女と出逢ったってわけです。

ヒロ:ゆっこさん。

えぐっちゃん:

はい。彼女も同じように上京してきて、でも田舎育ちだから、毎日がイベントでもやってんのかってくらいにめちゃくちゃ人がいる、どこ行っても東京って。まずそれが疲れちゃう。歩くスピードもですけど、なにもかもが速い。そういうのが水に合わなくて、一人暮らしですし、泣きながら「帰りたい」っておかあさんに毎晩電話してたんです。

そんなときたまたまつけっぱなしだったテレビで東京メトロの CM 、電話しながらだったんで泣きながら見たらしくて、なんだか石原さとみがムカつくくらい楽しそう。東京で暮らしてくうえでこんな楽しみ持ってたらちょっとは違うかなってゆっこも思って、僕とおんなじようにチャレンジをやっていって、おんなじチャレンジ先で僕と出逢ったってわけです、去年。

そこからゆっこも平日休みなんで一緒にチャレンジ行くようになって、ただマネるだけじゃおもしろくないからって自分たちであたらしいチャレンジ考えてみたり、CM じゃまだ石原さとみが行ってないところにも僕とゆっこで行ってみたりして。一駅出掛ける度に、出掛ける度に好きって気持ちがでかくなってって、この前プロポーズしたんです、チャレンジ出掛けたときに。

ヒロ:山田タマルさんの「各駅停車の恋(https://youtu.be/dUz8SIX5KO0)」みたいだね。

えぐっちゃん:なんですかそれ?
ヒロ:アーティストさん。歌だよ。

えぐっちゃん:

いいですね、なんか。
素敵ですね、それ、
嬉しいです、そうやって言ってもらえて。

僕もゆっこも東京って街がどうにも合わなくて、僕は出戻り、ゆっこは水が合わないって悩んでましたけど、今思うときょうヒロさんが話してくれたみたいに最初はばらばらで、出逢ってからはふたりで Find my Tokyo.のチャレンジやってみるうちに、東京って街の嫌な面だけじゃなくていいところって言うんですか、そんなのが見えてきましたし、ゆっこの魅力にもたくさん出逢えました。出逢った頃以上に、こんなところがあるんだなって、街もゆっこも。見てるようで、見てないものなんですね。

Find my Tokyo.
Find my ゆっこ.

自分で言っときながらテレますけど。
もっと知りたいって思いました、東京も、ゆっこも。
ゆっこもそう言ってくれてたんで、思い切って。

ヒロ:返事は?
えぐっちゃん:きょうの夜なんですけど。

ヒロ:うまくいくよ。
えぐっちゃん:言い切りますね、いつもながら。

ヒロ:

理由がある。

ふたりにはね、養命酒の CM(http://www.yomeishu.co.jp/yomeishu/a_to_kizuku/)に出てる藤井隆(ふじい たかし)さんと乙葉(おとは)さんご夫妻みたいな空気があるから、きっとだいじょうぶ。

うまくいくカップルや夫婦、うまくいってるカップルや夫婦には共通の空気感があって、言葉とか表情とか仕草とかでうまくいってなくてもいくらでもごまかせるっていうか、その場を取り繕うことって出来るんだけど、空気感までは出来ないんだよね、こればっかりは。だから、うまくいってるかどうかはバレバレ。

ずっと両親に否定されて育ってきてさ、親や他人様の顔色を窺いながらずっと生きてきたから、敏感になったんだよね、作り出される空気感って目に見えないものに。スピリチュアルなものじゃなくてね、感じるの、肌で。

えぐっちゃん:

嬉しいこと言ってくれますね、さっきから。
きょう、七夕ですしね。




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ぼくも思った。
一年に一度だけじゃなく、「これからもずっと」と願った。



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photo credit:Raymond.Ling.43 via Flickr (license)