白色の自己主張

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【番外篇】 同じお金に困るなら『カツカツ』よりも『使い道』

【番外篇】 同じお金に困るなら『カツカツ』よりも『使い道』
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photo credit:wkc.1 (Alex) via Flickr (license)




折角だから教えてあげるよ。

金貯めようと思ったらね、花村さん、使わないことだよ。
アンタは葬式がありゃ1万、結婚式がありゃ2万と出すでしょう。
そんなもの出してたら金は残らない。

(ソファーを立ち棚にあったボトルのお酒をグラスに注ぐ権藤)

100万あったって使えば残らない。
10万しかなくても、使わなければまるまる10万残るんだからね。

(少しだけ注いだグラスを手にしながら)

アンタ今、ぽたぽた落ちてくる水の下にコップを置いて、水、貯めてるとするわね。
アンタ、喉が渇いたからって、まだ半分しか溜まってないのに飲んじゃうだろ?
これ、最低だね。

なみなみいっぱいになるのを待って・・
それでも飲んじゃだめだよ。

いっぱいになって・・
溢れて・・
垂れてくるやつ・・
これを舐めて(グラスをぺろり)、我慢するの。

そうすりゃコップいっぱいの水は・・

                    *

東京国税局査察部査察官 板倉亮子(いたくら りょうこ)らが、巨額の脱税をしているのは間違いないラブホテル経営者 権藤英樹(ごんどう ひでき)宅への査察に入ったものの、一向に裏金が見つからず焦りだけが募る。

一筋縄ではいかない権藤のことを知ろうと、脱税の手口の一旦を知ろうと、あわよくば裏金の隠し場所のぼろを出さないかと板倉の上司 花村(はなむら)がどうやったらお金が貯まるのか尋ねると、苦戦する査察官らを前に余裕綽綽の権藤は機嫌を良くし、秘訣を語り始めた。

そうして結びの言葉を言おうとしたときだった。権藤の視線の先に居た板倉。査察が徒労のまま進展せず本棚にもたれかかっていると、重みでゴゴゴと回転。悲鳴とともにひっくり返った板倉の背後に裏金を保管する部屋が現れ、権藤はグラスを落としてしまうのだった。不敵な笑みは消えていた。

伊丹十三(いたみ じゅうぞう)監督の映画『マルサの女』より




                    *




親愛なるハチに

ここ最近のぼくしか知らない君には信じられないでしょうけれど、生活苦に陥っていた時期があります。20代の頃です。13年間の遠距離恋愛を実らせた婚約者を、挙式直前に病気で亡くしたときです。あまりの喪失感に働く意欲も、生きる気力も失せてしまい、仕事は出勤できなくなって解雇。まだ多くはなかった蓄えも底を尽きそうでした。

後追い自殺があたまを過るほど心身を病んでにっちもさっちもいかなくなり、生まれて初めて生活保護を申請しようとお役所へと向かうと、入り口脇でいかにも住所不定無職と行った風貌の男性らが地べたに座り、タバコを吸い、酒盛りをしていました。まるでお花見かお祭りです。『なんなんだあれ』そのときには判りませんでしたが、この日は彼らが『給料日』と呼ぶ受給日で(これだけでも充分イラッとしますが)、受け取った生活保護費をさっそくぱぁっと使って、まっとうに働いている人たちを前に乱痴気騒ぎを繰り広げているのだと知ると、怒りがふつふつと湧いてきました。

あんな人たちでさえ生活保護を受けられるのだとしたら、今まで真面目に税金を払ってきたぼくなら受けられるだろう、そう思いました。ところが窓口の担当者は、ろくに話も聞かずにこう言いました。門前払いです。

『考え、改めなさい』

ニヤニヤしながらでした。『若いくせに税金で養ってもらおうとか思ってんじゃないよ。働けよ、バ~カ』そう言わんばかりの態度でした。『なんなんだよ、あの担当者といい、表で騒いでるヤツといい』やり場のない怒りをどこにぶつけていいのやら。ぎゅっと握りしめた手のひらに食い込んだ爪の跡が、しばらく消えないほどでした。

頼みの綱が切れた焦りと表の連中が癪に障りイライラしながら出口へと向かっていると、同じ時間に、ぼくと同じように生活保護申請の窓口を訪れ、同じように水際作戦で門前払いを喰らった人がぼくに声を掛けてきました。

表で騒いでいる連中を指差し、『すぐにでも保護止めて、没収しろよなって話だよ。(彼らをサポートする)人権派弁護士なんかに好きにさせんな。そんでもって息の根も止めてやりゃいいんだよ。そうすりゃアイツらの受給分が浮いて、ホントに困ってるオレらのところへ回るんだからな』

その人とは『風俗行こうぜ』『いや、パチンコだろ』酒盛りが終わってこれからどうしようかわめいている連中を睨みつけながら別れて以降会っていませんが、気持ちは同じでした。息の根止めろは言い過ぎですが、役所まで来られ、乱痴気騒ぎできる時間と体力があるのなら、働けるだろと。


『考え、改めなさい』

帰り道、担当者のことばが頭から離れませんでした。映像とともに何度も脳内で再生される度に、怒りが爆発しそうでした。そんなときでした。お役所の近くに税理士事務所があって、普段なら別にどうってことなかったのですが、このときのぼくにはなぜだか無性に引っかかったのです。

『あれ?なんでだろう・・』

立ち止まって、うんうん記憶の糸を手繰り寄せていくと、『お金儲けの神様』と謳われた実業家 邱永漢(きゅう えいかん http://www.9393.co.jp/)さんのご著書を夢中になって拝読していたときのことばが出てきました。後に全巻読破。Qさんの本に限らずですが昔の本は廃れずしっかりした内容の本が多く、記憶するほど読み込んでいたからです。



あれこれ考え合わせてみると、税務署を怖がって生きるよりも、税法の研究をして、その範囲内で合法的に節税をするにこしたことはないという結論がでてくる。さきにあげた社長さんのように、お金のために発狂をよそおったり、自殺したりするのはバカらしいことであって、それではお金を人生よりも重く見ることになる。お金はやはり人生に奉仕するためのものであって、人生をそのために犠牲にするのは、主客転倒であろう。

そこで貧乏な間は、まず収入を得るためによく働き、収入を得るようになったら、こんどは節約をして金を貯める。金がある程度貯まって金が金を生むほど力がついてきたら、こんどはそれを邪魔だてするようなさまざまな税法上の難関がひかえているから、税務の研究が必要になってくる。

『Q-Books 事業家 資産家のための節税の実際』
税金払ってトクとれ - つらつら考えるにより



『考え、改めなさい』

あの担当者さんは『若いくせに税金で養ってもらおうとか思ってんじゃないよ。働けよ、バ~カ』だったのでしょうけれど、ぼくには違った意味に思えてきたのです。

滞納などせず、無遅刻無欠勤の皆勤賞のようにどれだけ税金を真面目に払っても、国は本当に助けてほしいときには助けてくれないものだということ。はい。考えを改めました。じぶんを助けてくれるのはじぶんということです。

もうひとつ。こちらがぼくにとっては発想の転換へとつながっていくのですが、じぶんを制度に合わせていくのではなく、制度にじぶんを合わせていく。こうして書いてみると、なんてことないのですけどね。はい。考えを改めました。いわば、カメレオンです。

文句を言ってもしょうがないのですね。使うには条件があるのですから。だったら、聡明な方々が作った実に有用な制度を有意義に使えるよう、じぶんを微調整するずる賢さを持つことです。これを『世渡り』と云います。

控除など使える制度は使いまくる・使い切ること。受け取れるお金はもれなく満額受け取ること。国が取れるところ(=国家に従順な犬だと小馬鹿にしている勤め人)から容赦なく搾り取るように、こちらも国から還付などで容赦なく搾り取ること。

単なる節税だけでなく資産を増やす方法に長けた税理士を味方にし、あらゆる方法を駆使して(もちろん合法の範囲内です)支払う税金は最低限にまで圧縮。手元に残った自由に使えるお金を、今まで助けてくれて、じぶんの眼で観て調べた衣・食・住・医療・教育の5分野を手掛ける支援団体に寄付する。

税金の使いみちは、ぼくらにはほぼ選べません。どれだけ納得いかなくても、胸くそ悪くてもね。存在そのものが税金の無駄遣いと言えるぼんくら政治家や旧社会保険庁のような税金泥棒の公務員に延々と垂れ流されるより、本当に困っている人を本当に助けてくれる社会事業へじぶんで寄付するほうがよっぽど精神衛生上良い。ぼくにとってこれは納税と同じです。


支援団体に相談して生活保護を受給できるようにする。
そんな考えの改め方もあったと思いますが、そうはしませんでした。

社会人になった18歳。就職氷河期まっただなかによのなかへと漕ぎ出し、幾多の洗礼のような荒波をかぶるなかでぼくは、先行きがどれほど不安であっても生きていけるようにと、いつかはじぶんに不向きな勤め人を辞めるためにと、お給料での生活を倹約し投資用のまとまった資金を貯め、それを元手に経済的基盤を創るための株式投資を始めていました。

ただ、あまたのハイスペックな勤め人様が息を吸って吐くように採用されるお給料から損失を補填する方法はぼくは勤め人が長くは続けられないと思っていましたから、命金とも言えるお金を厳格に生活用と投資用に分けていました。あまりに厳密に分けていて、もうひとりのじぶんが居るのかと思うほどでした。

そこまで徹底していたものですから、また『幽霊と相場は人に知られたら妙味がない
(=真の演技者は、自分の本体を決して他人にみせない)』『幽霊と相場師は淋しい方に出る』を信条とし徹底した秘密主義を貫いた相場師 近藤信男(こんどう のぶお)さんの影響もあって婚約者を亡くして生活苦に陥ったときに、投資用資金も、投資をしていることさえも失念していたほどでした。今思えば笑い話ですが、受給しようと思えば資産調査が入りますから、いずれにしても不許可になっていたでしょうね。

結局生活再建は生活保護に頼らず(あの担当者への意地もありましたけれど)、どうにかこうにか働き始めたり株の売却益などで工面しましたが、生活保護を巡るこの一件で、 同じお金に困るなら『カツカツ』よりも『使い道』というぼくの金銭哲学が定まったというわけです。

君の質問の答えになっているでしょうか。



『口は閉じて目を開け』だ。
怒りは胸にしまえ。

辰美興業社長 総会屋 辰美周二(たつみ しゅうじ)

ドラマ『ビッグマネー ~ 浮世の沙汰は株しだい ~』
Stock11 押し寄せる人の波!もう誰も止められない・・・より



背景は長くなるので割愛しますが、このことばが好きです。

お役所の入り口で別れた男性がその後どうなったかは判りませんが、怒りに囚われたままだったならばぼくは今とは違う人生を歩んでいたことでしょう。

怒りは目を曇らせます。
破廉恥な行動を誘発します。

口は舌禍。
負け犬の遠吠えとなります。

目を開くこと。
知には知で向かうということ。
勉強です。


ぼくには算数障害がありました。
過去形です。

どうやって高校受験を突破し、卒業できたのか。奇跡としか言い様がないのですが、小学生の頃からずっと一桁の足し算で躓いていました。勉強にまったくついていけず、中学校では虎の巻、今で言う教科書ガイドを買って授業に臨んでいたところ、『デキの悪いヤツは一番前の席』という教師の屈辱的なルールで教壇の真ん前に座らされていて、あるとき数学の教師に見つかり、『オレの授業にケチ付けるつもりか。教え方が悪いから、おまえは数学ができるようにならんとでも言いたいんか。これ見よがしにこんなもん見とるでオマエは駄目なんだ』などとガイドの角の硬い部分であたまを殴られてからは、もう二度と勉強するものかと思ったほどでした。

でも社会人となり、アーリーリタイアするために投資の世界へと足を踏み入れたとき、数字に強いことが必要だと判りました。『数的美しさ』という内的変化、言語化できない身体感覚もです。相場の世界で言うところの『変動感覚』につながるものですね。

小学生に混じって、丸刈りでやたらとでかいおとなが公文式でイチから算数を勉強し直しました。当初は案の定、一桁の足し算で躓いてばかり。文字通り毎日がそれこそ苦悶でしたが、当時通っていた自宅の一階を教室にしていた相馬(そうま)先生という女性に根気強く熱心に見ていただき、今はシステムがどうなっているか判りませんが、気がつけば身長よりも高いプリントを積み上げ、大学レベルの数学まで一気に駆け上がっていっていました。

算数障害は脳機能の障害と医学的には言われているようですが、どうやらアーリーリタイアしたいという想いの力技でねじ伏せたのかもしれません。

ODA(Official Development Assistance 政府開発援助)を『なんかこのODA(=おだ)ってヤツ、マジスゲ~な』世界を股にかけるかっけ~人の名前だと間違えた君を笑ったぼくも、実は『織田』だと思っていました、アハハ。勉強、てんでダメだったのです。

はみ出し銀行マンシリーズの横田濱夫(よこた はまお)さんがなにかのご著書で書いていましたが、300万円の投資資金を貯めるのは根性。これは同感。でもね、勉強と世渡りは『やりかた』。ぼくから君に贈るエールです。


最後に。

『手紙の最後にどうしていつも『本日も、いとをかし。』って書くの?』
いつだったか尋ねてくれましたよね。

TVCM『春は夕暮れ篇 SHORT MOVIE|アキュビュー® で変わろう https://www.youtube.com/watch?v=m9cUYc-Zhq0』では、『いとをかし』とは平安時代のことばで、『おもしろい』『うつくしい』『かわいい』といった意味だと紹介されていました。

金曜ドラマ『アンナチュラル』で君が好きな『中堂系(なかどう けい) http://www.tbs.co.jp/unnatural2018/chart/』風に言いますと、きょうがたとえ『クソみてぇなよのなかの、クソみてぇな連中に、クソ嫌んなるような思いにさせられた、クソ無駄に生きた、クソみてぇな一日』だったとしても、ブログや日記、手紙を毎夜書くとき文末に『本日も、いとをかし。』と書くと、そんなクソまみれの一日もなんだかクスクス(よく似ていますがクソクソではありません)と笑える一日となるのです。ぼくなりのご機嫌に眠りにつくおまじないといったところですね。


では。
最後まで読んでくれてありがとう。

本日も、クソいとをかし。
ヒロより。








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