白色の自己主張

ARTICLE PAGE

何歳ならいいんでしょう

白色の自己主張
  • comment-
  • trackback-




白色の自己主張 ~ 何色にも染まるたおやかさ 染まらない凛凛しさ ~



                    *



                  362通目



                    *



親愛なる たんたんに

昼神温泉(http://hirugamionsen.jp/)へお招きいただき、ありがとうございます。過分なお礼で恐縮ですが、今からわくわくしっぱなし。魅惑の南信州阿智村。実は、初長野です。パートナーは美肌の湯。ぼくは花桃、そして星空ナイトツアーに心奪われています。

ご両親には先日お礼を伝えましたが、たんたんからもまたあらためてお礼を伝えておいてもらえますか。花桃の開花情報を見ると来週あたりくらいでしょうか、見頃は。お出迎えや案内まで、至れり尽くせり。お世話になります。


前置きが長くなりました(いつものことですが)。
真摯な問いかけ、読ませていただきました。


自分の周りで最初に出逢う答えなき問いが10代での出産とは思いもしなかったことでしょう。中学生であれ、高校生であれ、ドラマでは『14才の母 http://www.ntv.co.jp/14/』、『コウノドリ http://www.tbs.co.jp/kounodori/』、たんたんはまだ生まれてない頃ですが『3年B組金八先生』など題材として取りあげられることはあっても、それはやはりどこか遠い世界の他人事。自分事として考える機会はなかったかもしれませんね。


正直に話しますと、ぼくにも答えは判りません。


中学生・高校生を巡る妊娠の話題になると、『遊びまくってるからこんなことになるんだ https://www.asahi.com/articles/ASK9602V8K8XUUPI009.html?ref=yahoo』という中傷。『学校どうするの? https://mainichi.jp/articles/20170730/k00/00e/040/144000c』学業継続の話。そして、性教育の是非あたりが話題にのぼります。

中傷は的外れというか、中傷する人の内面にある沸沸とした不満を解消する捌け口として矛先が向けられているだけであって、まったくもって不毛。学業継続のための支援や性教育は未来に向けてなにかが生まれる予感がするので、このあたりは感情的にならずに考えていかなくてはならないでしょうね。

ぼくが中高生の妊娠を巡る話題に触れた時、いつも感じていた疑問は『何歳だったらいいの?』でした。中学生の時、同級生に居たからです。


不思議ですよね。
なぜ中高生が妊娠すると指弾されるのでしょう。
恋愛同様法律で規定されているわけでもないのに。

生活能力の有無でしょうか。
早熟だからでしょうか。
世間体でしょうか。
他人様・世間様の模範解答と違うからでしょうか。

結婚は男性18歳、女性16歳以上が成人年齢の引き下げで女性側が18歳へと引き上げられる。飲酒と喫煙は、20歳未満禁止。原付免許は16歳。車の免許取得は18歳の誕生日を迎えれば OKなど、『○○歳からならOK』決められているものがよのなかにはあまたありますが、妊娠にはありません。男女のつながりである結婚にはあるのにね。


ドラマ『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON #2 導く者』に、こんな場面がありました。

災害拠点病院 翔陽大学附属北部病院救命救急センターにある日、足関節を開放骨折(=骨折箇所が皮膚外に出る骨折)した患者 宮本望海(みやもと のぞみ)が運ばれてきました。17歳の少女です。

転落したと思われ、頭の先からつまさきまで検査をしていったところ、妊娠15週と判明。一報で駆けつけた父 勉(つとむ)は、HCU(=高度治療室)で他の患者が安静にしているにも関わらず大声を張りあげ、『久々に連絡が来たと思ったらこれか!』ものすごい剣幕で望海を怒鳴りつけます。

野武士のような父。
いかにもギャルといった見た目の娘です。

(※見た目による印象操作には注意)

救命救急フェローとして研鑽を積んだ後産科医として周産期医療に携わってきた担当医の緋山美帆子(ひやま みほこ http://www.fujitv.co.jp/codeblue/chart/index.html)は、これからどうするのかふたりでよく話し合うよう促しますが、望海には堕ろすなど念頭になく、『ママになるのもありだな』呑気そのもの。勉は『17の娘が家にも帰らずフラフラしてるからこんなことに!』怒り心頭に発したままです。望海は『帰るわけないじゃん!こんなうるさいオヤジが居る家!』。高校を辞めて、今働いているところで赤ちゃんとともに生きていく気持ちのようです。

売り言葉に買い言葉。

HCUを一旦離れ、頭を冷やし、緋山から再度話し合うよう促されても、勉は突っぱねるばかりです。このままでは埒が明かない。半ば強引に設けられた、勉、望海、緋山、そして緋山が指導医となっているフェロー候補生名取(なとり)が同席しての話し合いの場。胎児の写真を手にニコニコしていた望海の表情から笑みが消えると、ゴングが鳴りました。産む気持ちは変わらないと告げたからです。



勉:

まだ判らないのか!
おまえみたいに馬鹿で未熟な人間が、子どもを育てられるわけがないって言ってるんだ!

望海:

はぁ?
できるっしょ!
アンタにできたんだからさ!

(椅子から立ち上がり渾身の力で平手打ち)

痛っ!
なにすんのよ!
マジムカつく!
言うこと聞かせたいだけでしょ!

勉:うるさい!



ヒートアップをなんとかなだめる緋山。冷静に話し合うよう水を向けられた勉。お腹の赤ちゃんは今この瞬間も育っている。罵り合いばかりでは、未来に受けて何も生まれていかない。自分から歩み寄ります。



勉:

相手の男とはどうなってる。
結婚するのか?

望海:アタシが・・好きだっただけだし・・

勉:

(車椅子の望海を見つめながら)本当に馬鹿だなぁ・・
望海。おまえ、ひとりで子どもを育てるってことがどういうことか本当に判ってるのか?

(うつむいたままの望海)

誰も代わりが居ないんだぞ。当然赤ん坊の時は、一時も目が離せない。保育園に預けられるようになったって、夜遅く帰るわけにはいかないからできる仕事も限られる。誘われても断ってばっかになるから、友達も居なくなる。

(その言葉にようやく勉の方を向く)

趣味なんて、やる余裕も金もない。
それで、いつの間にか時間が過ぎてて・・・
気付いたら17年経ってるんだ・・・

(遠い眼の勉)

(救急搬送後胎児の検査をしていた時、緋山にぶつけた言葉が脳裏を過った。出世するわけでもない。なにか趣味があるわけでもない。女が居るわけでもない。友達も居ない。どうせ会社でも誰からも相手にされていない。毎日19時にピタッと帰ってくる。なにが楽しくて生きているのか。なにも思い通りにならないつまらない人生を送っているだけではないかと)

考えてみろ。同級生がみんな『洋服だ』『合コンだ』って楽しんでる時に毎日オムツ替えたり、『熱だ』『下痢だ』『予防接種だ』って病院に行くことになるんだぞ。

おまえまだ17だろ。17歳には17歳の時にしかできないことをしろ。いいんだよ、フラフラしたって。好きなヤツと恋愛したっていいんだ。

望海:・・おとうさんは後悔してるの?

(まっすぐに見つめられ迷うことなく答えた)

勉:

いや、後悔は一度もない。
おまえと居て、ずっと幸せだったよ。

望海:・・おとうさん、アタシやっぱり産みたい。



望海は告げました。

妊娠が判った時の『産みたい』。
勉の想いを聴いての『産みたい』。

違っていました。

気持ちも。
表情も。


名取に車椅子を押してもらいながら病室へと戻っていく望海の後ろ姿を見送ると、勉は緋山に頭を下げました。『よろしくお願いします』と。



勉:馬鹿な父親だと思ってるでしょうね。
緋山:えっ?

勉:

出産は綺麗事じゃない。
17歳の娘に、勢いで子どもを産ませるなんて無謀だって。

緋山:

(周産期医療に携わり、あまたの出産に立ち会ってきたからこその疑問を、考えあぐねながらも口にした)

何歳だったらいいんでしょうね。

『17歳だからダメ』ということはないと思います。30歳、40歳のいい大人でも、産んでしまって育てられない人は居ますから。だから、う~ん・・みんな迷うんだと思います。

わたしの友人でも、産むことを迷ってる人が居るんです。彼女は仕事もすごくできるし、しっかりしていて、優しくて、強い人なんです。でも、そんな人でも迷うし、あたしも・・なんて声を掛けてあげればいいのか判らないんですよね。

でも、望海さんは迷ってなかった。望海さんはたぶん、妊娠を知った瞬間に産むことを決めてた。お父さんが子育てする姿を見てきたからだと思います。自分を必死に育ててくれたお父さんを見ていたんだと思います、きっと。



何歳だったらいいんでしょう。
たんたんはどう思いましたか?

中高生の妊娠を指弾する人に問いかけてみてください。
『何歳だったらいいんでしょう』と。

答えられないと思います。


学校の勉強では、定期試験では、受験では、正解があります。
正解以外を選んだり書けば、不正解となって認めてはくれません。


よのなかには、正解のない問いがあります。


前にブログで書きましたが(http://ippunkan.blog.fc2.com/blog-entry-417.html)、ゲイを巡る物語を題材にしたドラマ『弟の夫』。同性婚のことを知った小学生の女の子が学校で話題にしたところ父親が担任から呼び出され、『こういう話は小学生にはまだちょっと早いんではないかと。他の子と違う話をして周りから浮いてしまうと、その・・いじめの心配もありますし』と言われる場面がありました。


では、何歳だったらいいんでしょう。
担任は答えられないと思います。


アーリーリタイア。

所謂定年退職後のリタイヤではなく、若くして引退することです。ぼくが今この状態にあります。起業して、会社を高額で売却して、なんていうカッコイイ形ではなく、ぼくの場合は向いていない勤め人から早く逃げ出したいという一心で逃げ切ったものでした。株式投資のお陰です。

『早く引退したい』口にすると、十中八九年長者からお小言をいただきます。『なぁに言っとるだ、若いもんが。まんだ働かんか』と。彼らにとって『リタイア』とは定年退職後のことであって、若くして引退するなんてことは考えもつかないことなんですね。まるで珍獣でも発見したかのようです。

『マシュマロ実験 https://videotopics.yahoo.co.jp/videolist/official/others/p998d4ac220119ba1cc850df82a007b46』って知っていますか?

ざっくりとした説明ですが、子どもの目の前に置かれた一個のマシュマロ。今食べてもOK。でも15分間待つことができたら、もれなくもうひとつのマシュマロをゲットできるというものです。我慢できた子どもを追跡調査すると、学業での優秀さ、将来の社会的成功へとつながっていたのだとか。

でもぼくはこの実験に懐疑的で、ショートケーキのいちごを最後に食べようと楽しみにとっておいたら食べられたのと同じく、いつまで生きられるかわからないのに引退を先延ばしにするなんてありえませんでした。

そもそも、定年まで100%生きているでしょうか。五体満足でいられるでしょうか。我慢に我慢を重ねて、やりたいことをやりたいときにやれない。お金もやりたいことも残して死んでいくなんてやなこったです。残ったお金が無駄遣い大好きな国に持っていかれるなんて反吐が出ます。両親を末期がんで亡くしていることも想いを強くしているかもしれません。

ジャコモ・カザノヴァの生涯を追ったフランス文学者 鹿島茂(かしま しげる)さんのご著書『人類史上最高にモテた男の物語』を皮切りに『カザノヴァ』と名の付く本を読んでいますが、『わたしの享楽の五分の四は女を幸福にすること』こんなふうに女性を愛し、消尽し、生き切りたいものです。

(余談ですが図書館の蔵書検索で『カザノヴァ』を調べると、くらもち ふさこさんのマンガ『東京のカサノバ』、加藤晴子(かとう はるこ)さんの歌集『傘の範囲』との偶然の出逢いをもたらしてくれました。『傘の範囲』は最初『?』でしたが、『かさのは=カサノバ』でヒットしたようで思わず笑ってしまいました。いやはや、偶然の出逢いって素晴らしい)

ぼくは GO サインが出たら、すぐにマシュマロを食べます。そして『こんなにも美味しいものがよのなかにはあるんだ!』もっともっと日本中世界中を食べ歩きたいと思いますね。忍耐力がないのではなく、行動力がある。そのぶん失敗するけれど、学びは多い。ぼくはそう評価します。

だから問いかけます。
何歳だったらいいんでしょう。

説教好きの年長者は答えられないと思います。


長くなりました(いつものことですが)。


中高生の妊娠
ゲイ
アーリーリタイア

3つの話題を取りあげましたが、よのなかにはまだまだあることでしょう。それらに眼を向けてください。悪影響だからと遠ざけるのは簡単です。考えてください、じぶんのアタマで。たんたんの『考え』が聴きたいです。『答え』ではなくね。温泉で語らいましょう。


刺々しい、焼けるような感情が芽生えたら、深呼吸。
内なる不満の捌け口として矛先を向けていないか。
自問自答です。


落伍者からのエールに代えて。
ヒロより。

2018.4.14


関連記事