~ 何色にも染まるたおやかさ 染まらない凛凛しさ ~

未来を変えるお手伝い、幸せになるお手伝いよりも、笑顔になるお手伝いがいい

Photo:Lamp(Rikugi-en) By:kanegen
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     白色の自己主張 ~ 何色にも染まるたおやかさ 染まらない凛凛しさ ~



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皆さん。
修了試験、ご苦労様でした。

合格された学生の皆さんはこれから、病棟実習が始まります。看護師としての、現場での第一歩です。現実の厳しさに挫けそうになることもあると思いますが、そんな時はこの言葉を思い出してください。

『天使とは、美しい花を蒔き散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者のこと』

これはですね、白衣の天使と呼ばれたナイチンゲールの言葉です。『苦悩する者のために戦う』このことは、過去よりもむしろ現代の医療に、看護に携わる者に切実に響くと思います。

戴帽式を迎えた学生へ贈った言葉
恵林医科大学附属看護専門学校学長 番匠光太郎(ばんしょう こうたろう)

オトナの土ドラ『いつまでも白い羽根』第2話『君に“響くもの”はある?』
http://tokai-tv.com/shiroihane/



親愛なる はっさんに

『なんでヒロがやってることって未来を変えるお手伝い、幸せになるお手伝いって言わないの?』

ライフワークの根っこにあるものへの素朴な問いかけ。
ぼくはね、こう思うんです。

『笑顔になるお手伝いがいい』と。


3年前の年末。パートナーの実家で過ごすことになったので、ふたりとも休みになったところでおじゃましました。夜ごはんをいただいた後、お父様と珈琲を飲んでなごやかに談笑していたら、こんな言葉をかけてくださったんです。



ヒロくん。
君のおかげで、あの娘は笑えるようになったんだよ。
ありがとうね。



パートナーのあきほさんは今の姿からは想像もつかないと思いますが、出逢った頃口角をほんのり上げる程度にはスマイルをつくっても、声を出して笑ったり、満面の笑みとまでは笑わない人でした。出逢うちょっと前に遠距離恋愛で手酷い仕打ちを受けたのが深い深い心の傷となり、ご両親も心配していたのです。そうしたなかでぼくらは出逢い、おつきあいを始め、結婚へと至りました。

あきほさんになにか特別なことをしたわけではなく、出逢う前も、出逢った後も、ぼくに変わりはありませんでしたが、でもお父様の『ヒロくん。君のおかげで、あの娘は笑えるようになったんだよ。ありがとうね。』この言葉に、『隣に居る人が笑っていることほどしあわせなことってないな』そんなことを思いました。


毎年春になると恩人から託された桜の樹を囲んで『観桜会 http://ippunkan.blog.fc2.com/blog-entry-315.html』を催すんですが、毎年一見さんがいらっしゃいます。今年もいらしていて、桜ごはんのおにぎりや桜のスイーツなど桜づくしでおもてなし。縁側でおひとりで楽しんでいらしたんですが、しばし話し込んでどうしていらっしゃるかなと視線を移しましたら、もう帰られた後でした。話の腰を折らないようにと気遣ってくださったのでしょう。

縁側に行きましたら、お皿の上に桜の花びらが三枚散りばめてありました。桜吹雪のしわざか、はたまた遊び心かと思いましたが、『ごちそうさま』『ありがとう』そんなふうに置き言葉をされたようで、今もまだ瞼を閉じますとその光景が浮かんでまいります。

来られた時は浮かない顔をしておられましたが、お帰りになる時には心晴れやかだったのではないか。
そんなことを思いました。


はっさんがこの前うちに来てくれた時、気に入って完食した『あれ』。実はあれ、人参の葉っぱです。ドラマ『居酒屋ぼったくり https://www.twellv.co.jp/bottakuri/』第2話『想い出につける付箋(タグ)』で、常連の会社員アキが、おかあさんの思い出の味として店主の美音(みね)に作ってほしいとリクエストしたものです。

季節の変わり目には豚汁を作ってくれて、具材の人参に付いていたんだろうなぁと振り返り、炊きたてごはんの上に乗せて食べるのが絶品だと話していました(https://www.twellv.co.jp/bottakuri/archive/story002.html)。

見ていたら、無性に食べたくなってねぇ。家庭菜園(=超絶お金持ちなんで庶民のぼくらからするとどう見ても農園なんだけどね)をやっている友人にいただいて作ったところに、はっさんが訪ねてきたってわけです。

葉っぱをざく切りにして、ごま油で炒めて、醤油と砂糖で甘辛く味付けて、最後にごまをたっぷりふりかけるだけ。

来た時はどんよりしてたけど、いい笑顔だったよね、はっさん。


未来を変えるお手伝い、幸せになるお手伝いっていうのは、これから幸せになっていくっていうベクトル。『幸せなりたい!』『幸せにしてください!』そんな声が聞こえてきて、なんだかとても力んでいるように映ります。

でも、笑顔になるお手伝いっていうのは、もうその人が幸せになってるんだよね。だから自然と笑える。笑みが溢れてくる。『隣に居る人が笑っていることほどしあわせなことってないな』あの時、パートナーに思った想いと同じなのです。


美しい花を蒔き散らさぬ者
ヒロより。

2018.4.26



Photo:Walking #04 By:osanpo
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