白色の自己主張

ARTICLE PAGE

ピンクムーン

六六魚
  • comment-
  • trackback-

Photo by Sharon McCutcheon

会社員のガールフレンドの、仕事帰りにデート。ほろ酔いの彼女がぶらぶらしたいと甘えてきたので、月下を歩いた。

『そういやきょう、スーパームーンってラジオで言ってたな』

思い出して見上げながら、『スーパームーンには、願い事を叶えてくれるジンクスがあるらしいよ』囁いた。

立ち止まった彼女。
素直ないいコ。
手を合わせ、願った。

そこへ、仕事帰りの同世代の女性が通りかかった。オレとガールフレンドがスーパームーンを見つめているのに釣られて見上げると、『あっ』月明かりに照らされた顔に笑みが浮かぶ。

『スーパームーンには願い事を叶えてくれるジンクスがあるって、ダー(=ダーリン)が教えてくれたの』

ガールフレンドが話し掛けると、『空、見上げてなかったなぁ』つぶやいて、今度はふたりで手を合わせ、なにやら願っている。

『なんだろうなぁ』
『なに願ったんだろ』

野暮を承知で気になって聞いたら、ガールフレンドと女性は初対面なのに、『ナイショ』『お月様に聞いて』息ピッタリに意地悪。

でも、なんだか心があったまって、いい気分で見送った。


日付が変わった、午前5時。いつものように日課のスロートレーニングを終え、近くの公園へインターバル速歩をしようと家を出て見上げたら、スーパームーンがほんのり桜色に染まっていた。


ガールフレンドがなにを願ったのか。
わかった気がした。

関連記事
  • posted by コウノトリの噛み痕