白色の自己主張

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ムーンデート

キリトリ
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Photo by Channey

満月の日にだけ逢う女性がいる。
今月は、フラワームーンデートだった。


フルネームではない名前や仕事など知ったことはあまたあるが、連絡先は交換していない。彼女の仕事帰りに、前回逢った時に決めておいた待ち合わせ場所で再会。終電までが一緒に過ごせる時間だ。

映画『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』https://filmaga.filmarks.com/articles/1166/ のジェシーとセリーヌのように、街を歩き、食べて、月を愛で、話して話して話す。

最初の頃は正直スケベゴコロがあったが、湧き水のように語らうことがとにかく楽しくて、いつしかそんなことは忘れていた。


連ドラやアニメにハマると、翌週の放送日が待ち遠しい。プライベートでキツイことや嫌なことが続きに続き、コールタールのような闇に心がべっとりして死にたくなったとき、放送日を心待ちにすることが生きる支えになった。そうして、『生きる』を重ねてきた。

彼女がいつだったか、満月の日に逢うことが数少ない楽しみなことで、あと何週間、あと何日、指折りし、心待ちにしていると話してくれたときは嬉しかった。

この日常が永遠に続くのかと絶望するときはあるが、今の延長線上にムーンデートがあることで、あみだくじに一本の線が付け加えられるような、ささやかな希望をもたらしてくれているのかもしれない。


次回は、ストロベリームーン。
https://weathernews.jp/s/topics/202005/010175/
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